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言の葉はなげなるものと言ひながら
思はぬためは君も知るらん

歌の意味
言葉というものはあてにならないものだと言いながらも、思ってもいない相手のためには言葉など贈らないことを、あなたも知っているだろう。
鑑賞
巻第十二 恋歌四 827

詞書「人のもとにつかはしける」
 言葉はあてにならないものと言いながら、思わない相手のためには言葉を贈らないことを、あなたも知っているだろう、と詠んだ歌である。言葉だけでは信じてもらえない相手に、こうして言葉を送ること自体が真心の証であると訴えている。
 詞書によれば、ある人のもとへ送った歌である。
 作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。なお本文の作者表記は「よみ人も」とあり、よみ人しらずを示している。

 初句「言の葉は」は、言葉というものは、の意である。
 二句「なげなるものと」は、あてにならないものだと、の意で、「なげなる」は、いいかげんな、の意である。
 三句「言ひながら」は、言いながらも、の意で、逆接を表している。
 四句「思はぬためは」は、思っていない相手のためには、の意である。
 結句「君も知るらん」は、あなたも知っているだろう、の意で、「らん」は現在の推量を表す。

ことのは:言葉
作者
よみ人しらず
出典
後撰和歌集
前の歌
白露のおきてあひ見ぬことよりは 衣返しつつ寝なんとぞ思ふ
次の歌
白浪のうち出づる浜の浜千鳥 あとや尋ぬるしるべなるらん