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桜色にわが身は深くなりぬらん
心にしめて花を惜しめば

歌の意味
桜色に我が身は深く染まってしまったことだろう。心に深く染めつけて花を惜しんでいるので。
鑑賞
巻第一 春歌 53

詞書「題しらず」
 心に深く花を思い込めて散るのを惜しんでいるので、わが身まで桜色に深く染まってしまっただろうと詠む。花への愛着の深さを、身が染まるという色の比喩で表している。

 初句「桜色に」は、桜の花の色に、の意である。
 二句「わが身は深く」は、色が深く染まる意と、思いが深い意を重ねる。
 三句「なりぬらん」は、「らん」が現在推量で、三句切れである。
 四句「心にしめて」は、色が「染む」意と、心を「占む」意を掛けた掛詞である。
 結句「花を惜しめば」は、花を惜しむので、の意で、理由を倒置して示す。

しむ:色や香りが染みつく意と、心に深く占める意を掛ける
作者
よみ人しらず
出典
拾遺和歌集
前の歌
花の木を植ゑしもしるく春来れば わが宿過ぎて行く人ぞなき
次の歌
身にかへてあやなく花を惜しむかな 生けらば後の春もこそあれ