限りなき思ひの綱のなくはこそ
まさきのかづら縒りも悩まめ
- 歌の意味
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限りない思いの綱がもしなかったならば、まさきのかずらを縒るのにも苦労なさるでしょう。
- 鑑賞
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巻第十五 雑歌一 1082
詞書「返し」
限りない思いという綱がもしなかったならば、まさきのかずらを縒るのにも苦労なさるだろう、と詠んだ歌である。前歌の月を綱に縒るという趣向を受け、あなたへの尽きない思いがすでに自分をつないでいるので、改めて綱を縒るまでもないと切り返している。
前歌の源融の歌に対する行平の返しである。
作者の在原行平は、平城天皇の皇子阿保親王の子で、在原業平の異母兄にあたる。中納言に至った。
初句「限りなき」は、限りのない、の意である。
二句「思ひの綱の」は、思いという綱が、の意で、前歌の「まさきの綱」を受け、思いを綱にたとえている。
三句「なくはこそ」は、もしなかったならば、の意で、「こそ」は強意の係助詞で、結句の已然形「め」で結ぶ係り結びとなっている。
四句「まさきのかづら」は、つる草のまさきのかずらで、前歌の二句「まさきの綱に」に応じている。
結句「縒りも悩まめ」は、縒るのにも苦労なさるでしょう、の意で、「め」は推量の助動詞「む」の已然形で、三句の「こそ」を受けて結んでいる。思いの綱がある以上、縒るまでもないという意をこめている。
まさきのかづら:つる草の一種。テイカカズラなどにあてる
なやむ:苦労する。難儀する
- 作者
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在原行平
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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照る月をまさきの綱に縒りかけて 飽かず別るる人をつながん
- 次の歌
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住みわびぬ今は限りと山里に 爪木こるべき宿求めてむ