人目だに見えぬ山路に立つ雲を
誰すみがまの煙と言ふらん
- 歌の意味
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人の姿さえ見えない山道に立つ雲を、誰が、人の住んで焚く炭竈の煙だと言うのだろうか。
- 鑑賞
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巻第十八 雑歌四 1257
詞書「題しらず」
人目さえ見えない山路に立つ雲を、誰が住んで焼く炭竈の煙と言うのか、と詠んだ歌である。「住み」と「炭」を掛け、人の住む気配もない深山の寂しさを、雲を煙と見まがう趣向で詠んでいる。
作者の「北辺左大臣」は源信である。嵯峨天皇の皇子で、臣籍に下って源の姓を賜った。左大臣に至り、北辺大臣と呼ばれた。
初句「人目だに」は、人の姿さえ、の意で、「だに」は軽いものを挙げて重いものを類推させる。
二句「見えぬ山路に」は、見えない山道に、の意である。
三句「立つ雲を」は、立ちのぼる雲を、の意である。
四句「誰すみがまの」の「すみ」は、「住み」と「炭」を掛けた掛詞で、人が住む意と、炭を焼く竈の意を重ねている。
結句「煙と言ふらん」は、煙だと言うのだろうか、の意で、「らん」は四句の「誰」を受けた疑問の推量を表す。「立つ」は「雲」「煙」の縁語である。
すみがま:「住み」の意と、炭を焼く「炭竈」を掛ける
やまぢ:山道
- 作者
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源信
- 出典
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後撰和歌集
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伊勢わたる川は袖より流るれど 問ふに問はれぬ身はうせぬめり
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飛鳥川淵瀬に変はる心とは みなかみしもの人も言ふめり