- 歌の意味
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川柳の枝の糸は緑色であるのに、そのうちのどれが緋色の衣になるのだろうか。
- 鑑賞
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巻第九 雑歌下 551
川柳の糸のような枝は緑色なのに、そのうちのどれが緋色の衣になるのだろうかと詠む歌である。柳の細い枝を糸に見立て、その糸から織る衣の色を問う形で、緑と緋の色の対比を詠んでいる。官人の袍の色で、緑が六位、緋が五位を表すことから、昇進を願う心を込めたものとも読める。前歌の第五百五十首の大原川に続き、川辺の柳を詠む歌である。
作者の藤原仲文は、藤原公葛の子で、冷泉天皇が東宮であった頃から仕え、上野介などを務めた。三十六歌仙に数えられる。
なお本文には詞書の記載がなく、詞書の欄に作者名の「仲文」のみが記されている。
初句「河柳」は、川辺に生える柳、の意で、前歌の第五百五十首の四句「大原河の」と、川の語でつながっている。
二句「糸は緑に」は、糸のような枝は緑色に、の意で、柳の細い枝を糸に見立てている。
三句「あるものを」は、あるのに、の意で、「ものを」は逆接の接続助詞である。
四句「いづれかあけの」は、どれが緋色の、の意で、「か」は疑問を表し、結句の「らん」と呼応している。二句の「緑」と色の上で対をなしている。
結句「衣なるらん」は、衣になるのだろうか、の意で、「らん」は推量の助動詞である。二句の「糸」から結句の「衣」へと、糸と衣の縁でつないでいる。
あけ:緋。赤い色。五位の官人の袍の色
いと:糸。ここでは柳の細い枝を糸に見立てた語
- 作者
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藤原仲文
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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世の中にあやしき物は雨降れど 大原河のひるにぞありける
- 次の歌
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白波の打ちやかへすと待つほどに 浜の真砂の数ぞ積もれる