日のうちに物を二たび思ふかな
疾く明けぬると遅く暮るると
- 歌の意味
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一日のうちに、私は二度も物思いをすることだ。夜が早く明けてしまったことと、日がなかなか暮れないことと。
- 鑑賞
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巻第十二 恋歌二 723
詞書「女のもとにまかりそめて」
一日のうちに二度も物思いをする、夜が早く明けてしまうことと、日がなかなか暮れないことにと詠む歌である。詞書から、女のもとに通い始めたころの歌とわかる。逢瀬の夜は早く明け、逢うまでの昼はなかなか暮れないという、時の感じ方の食い違いを対句で表し、通い始めの恋の心を巧みにとらえている。
作者の大江為基は、大江斉光の子で、平安時代中期の官人、歌人である。
初句「日のうちに」は、一日のうちに、の意である。
二句「物を二たび」は、物思いを二度、の意である。
三句「思ふかな」は、思うことだ、の意で、「かな」は詠嘆を表す。ここで句切れとなる三句切れの歌である。
四句「疾く明けぬると」は、夜が早く明けてしまったことと、の意で、「ぬる」は完了の助動詞「ぬ」の連体形である。
結句「遅く暮るると」は、日がなかなか暮れないことと、の意で、四句と対句をなし、「疾く」と「遅く」、「明け」と「暮る」を対比している。倒置して二句の物思いの中身を示している。
ものおもふ:物思ふ。思い悩む
- 作者
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大江為基
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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いつしかと暮れを待つ間の大空は 曇るさへこそうれしかりけれ
- 次の歌
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百羽がき羽かく鴫も我がごとく 朝わびしき数はまさらじ