鳴る神のしばし動きて空曇り
雨も降らなん君とまるべく
- 歌の意味
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雷が少しの間鳴り響いて空が曇り、雨も降ってほしい。あなたが帰らずにとどまってくれるように。
- 鑑賞
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巻第十三 恋歌三 826
詞書は前の歌に続き「題しらず」
雷が鳴り空が曇って雨も降ってほしい、そうすればあなたが帰らずにとどまってくれるだろうからと詠む歌である。恋人を引き留めたい一心から、雷雨さえも願う切実な心を詠んでいる。
作者の「人まろ」は柿本人麻呂である。飛鳥時代の宮廷歌人で、万葉集を代表する歌人として歌聖と仰がれ、三十六歌仙に数えられる。拾遺和歌集には、万葉集の歌が人麻呂の作として多く収められている。
万葉集巻十一に類歌が収められている。
初句「鳴る神の」は、雷が、の意である。
二句「しばし動きて」は、少しの間鳴り響いて、の意である。
三句「空曇り」は、空が曇って、の意である。
四句「雨も降らなん」は、雨も降ってほしい、の意で、「なん」は他に対する願望を表す。ここで句切れとなる。第七百九十七首が恋人の来ない雨を恨み、第八百二十四首が雨を恋の乱れのたとえとするのに対し、この歌は恋人を引き留める雨を願い、雨をめぐる思いが反転している。
結句「君とまるべく」は、あなたがとどまるように、の意で、倒置して四句の願いの目的を示している。
なるかみ:鳴る神。雷
- 作者
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柿本人麻呂
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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水無月の土さへ裂けて照る日にも 我が袖干めや妹に逢はずして
- 次の歌
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人言は夏野の草の繁くとも 君と我とし携はりなば