逢ふことのかたかひしたる陸奥の
こまほしくのみおもほゆるかな
- 歌の意味
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逢うことが難しく、陸奥の駒を片飼いしているように、ただ来てほしいとばかり思われることよ。
- 鑑賞
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巻第十四 恋歌四 904
詞書は前の歌に続き「題しらず」
逢うことが難しいので、陸奥の駒を片飼いしているような状態で、ただ来てほしいとばかり思われると詠む歌である。陸奥の名馬の駒に「来まほし」を掛け、逢瀬の少ない恋のもどかしさを、馬の飼育にかかわる言葉でまとめている。
初句「逢ふことの」は、逢うことが、の意である。
二句「かたかひしたる」は、片飼いをしている、の意で、「かたかひ」は、逢うことが「難(かた)」い意と、十分に飼い馴らしていない「片飼ひ」を掛けた掛詞である。
三句「陸奥の」は、陸奥国の、の意である。陸奥は名馬の産地で、「駒」を導いている。次歌の第九百五首の初句も「陸奥の」で、陸奥を詠む二首が並んでいる。
四句「こまほしくのみ」は、来てほしいとばかり、の意で、「こま」は陸奥の「駒」と、「来まほし」の「来ま」を掛けた掛詞である。前歌の第九百三首の「駒」を受けている。
結句「おもほゆるかな」は、自然と思われることよ、の意で、「かな」は詠嘆を表す。
かたかひ:逢うことが「難」い意と、十分に飼い馴らしていない「片飼ひ」を掛ける
こま:陸奥の「駒」と、来てほしい意の「来まほし」を掛ける
みちのく:陸奥。東北地方の国。名馬の産地
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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若草に留めもあへぬ駒よりも なつけわびぬる人の心か
- 次の歌
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陸奥の安達の原の白真弓 心こはくも見ゆる君かな