- 歌の意味
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一点の曇りもない大空に秋の月が澄みわたると、庭には冬の氷を敷いたように、月の光が白く冴えわたる。
- 鑑賞
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巻第四 秋歌上 279
詞書「月の歌とてよめる」
「月」を題として詠んだ歌である。曇りひとつない大空に秋の月が澄みわたると、その光に照らされた庭は、まるで冬の氷を敷き詰めたように白く冴えている、と詠む。空の秋と庭の冬とを対比させ、冷たく澄んだ月光を氷に見立てている。
作者の「前中納言雅頼」は源雅頼である。権中納言源雅兼の子で、権中納言に至った。
本巻では本歌のほか、第二百八十八首、第二百八十九首、第二百九十三首、第二百九十四首などが、月の光を氷に見立てて詠んでおり、月と氷の見立てが本巻の月の歌の一つの流れをなしている。
初句「隈もなき」の「隈」は曇りや陰りとなるところで、一点の曇りもない、の意である。本巻の第二百八十六首も「思ひくま」と「隈」を響かせる。
二句「御空に秋の」の「御空」は空の美称である。
三句「月澄めば」は、已然形に「ば」が付いた確定条件で、月が澄むと、の意である。
四句「庭には冬の」は、二句の「御空に秋の」と対をなし、空と庭、秋と冬とを対比させる。
結句「氷をぞ敷く」の「ぞ」は係助詞で、「敷く」と連体形で結ぶ。白く照らされた庭を、冬の氷を敷き詰めたさまに見立てる。本巻の第二百八十八首、第二百八十九首も月の光を氷に見立てる。
くま:曇りや陰りとなるところ
みそら:空の美称
- 作者
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源雅頼
- 出典
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千載和歌集
- 前の歌
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出でぬより月見よとこそ冴えにけれ 姨捨山の夕暮の空
- 次の歌
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月見ればはるかに思ふ更級の 山も心のうちにぞありける