恋すれば燃ゆる蛍も鳴く蝉も
我が身の外のものとやは見る
- 歌の意味
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恋をしていると、燃えるように光る蛍も、声を上げて鳴く蝉も、自分の身と無縁のものと見るだろうか、いや見はしない。
- 鑑賞
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巻第十三 恋歌三 813
詞書「夏恋といへる心を詠める」
「夏恋」、すなわち夏の恋という題で詠んだ歌である。恋をしていると、燃える蛍も鳴く蝉も我が身と無縁のものと見るだろうか、と詠む。夏の景物である蛍と蝉を取り上げ、蛍の光には恋の思いの火に燃える身を、蝉の声には声を上げて泣く身を重ねて、恋する者には夏のあらゆるものが我が身の姿に見えるという心を表している。
作者の「前中納言雅頼」は源雅頼である。権中納言源雅兼の子で、権中納言に至った。
初句「恋すれば」の「ば」は順接の確定条件で、恋をしているので、の意である。
二句「燃ゆる蛍も」は、燃えるように光る蛍も、の意で、恋の思いの「火」に燃える身を重ねる。
三句「鳴く蝉も」は、声を上げて鳴く蝉も、の意で、声を上げて泣く身を重ねる。二句と対をなし、題の「夏」を示す。
四句「我が身の外の」は、自分の身と無縁の、の意である。
結句「ものとやは見る」の「やは」は反語の係助詞で、「見る」と連体形で結ぶ。ものと見るだろうか、いや見はしない、の意である。
もゆ:燃える。恋の思ひの「火」を響かせる
- 作者
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源雅頼
- 出典
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千載和歌集
- 前の歌
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包めども枕は恋を知りぬらん 涙かからぬ夜はしなければ
- 次の歌
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引きかけて涙を人に包む間に 裏や朽ちなん夜半の衣は