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降る雪に行方も見えずはし鷹の
尾ぶさの鈴の音ばかりして

歌の意味
降る雪のために、放った鷹の行方も見えない。はし鷹の尾につけた鈴の音ばかりが聞こえて。
鑑賞
巻第六 冬歌 422

詞書は前の歌に続き「堀河院の御時、百首歌たてまつりける時、鷹狩の心をよめる」
 堀河百首の鷹狩の題で詠んだ歌である。降る雪のために放った鷹の行方も見えず、はし鷹の尾につけた鈴の音ばかりが聞こえる、と詠む。白く降りしきる雪の中に姿の消えた鷹を、鈴の音だけでたどる、雪の日の鷹狩の情景である。
 作者の「隆源法師」は若狭守藤原通宗の子である。院政期の僧で、堀河百首の作者の一人である。
 第四百二十一首から第四百二十三首までの三首は、堀河百首の鷹狩の歌である。堀河百首は、堀河天皇の時代に源俊頼、藤原公実らが題を分けて百首ずつ詠んだもので、後の百首歌の規範となった。鷹狩は飼いならした鷹を放って鳥を捕らえる狩りで、冬の景物とされた。

 初句「降る雪に」は、降る雪のために、の意で、原因を示す。本巻の第四百六十二首も同じ初句で始まる。
 二句「行方も見えず」は、放った鷹の行方も見えない、の意である。ここで句切れとなる。
 三句「はし鷹の」の「はし鷹」は、ハイタカの古名で、小形の鷹である。
 四句「尾ぶさの鈴の」の「尾ぶさ」は鷹の尾の付け根で、そこに鈴をつけて鷹の居場所を知るための目印とした。
 結句「音ばかりして」は、鈴の音ばかりがして、の意で、言いさしの形で余情を残して結ぶ。目に見えない鷹を耳でたどる。

はしたか:ハイタカの古名で、小形の鷹
をぶさ:鷹の尾の付け根
作者
隆源
出典
千載和歌集
前の歌
矢形尾の真白の鷹を引き据ゑて 宇陀の鳥立ちを狩り暮らしつる
次の歌
夕まぐれ山片づきて立つ鳥の 羽音に鷹を合はせつるかな