夜な夜なの旅寝の床に風冴えて
初雪降れる小夜の中山
- 歌の意味
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夜ごとの旅寝の床に風が冷たく冴えわたり、とうとう初雪が降っている小夜の中山であることだ。
- 鑑賞
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巻第八 羈旅歌 502
詞書「行路初雪といへる心をよみ侍りける」
行路の初雪という題で詠んだ歌である。夜ごとの旅寝の床に風が冷たく冴えわたり、とうとう初雪が降った小夜の中山であることだ、と詠む。旅の夜を重ねるにつれて寒さがつのり、ついに初雪を迎えたことで、旅の日数の長さと季節の移ろいを表している。
作者の「八条前太政大臣」は藤原実行である。権大納言藤原公実の子で、太政大臣に至り、八条太政大臣と呼ばれた。三条家の祖である。
初句「夜な夜なの」は、毎夜の、の意で、旅寝を重ねてきた日数の長さを示す。
二句「旅寝の床に」は、旅先で寝る床に、の意である。
三句「風冴えて」の「冴ゆ」は、冷え込む、の意で、夜ごとに寒さがつのることをいう。
四句「初雪降れる」の「る」は存続の助動詞「り」の連体形で、初雪が降っている、の意である。
結句「小夜の中山」は遠江国の峠で、東海道の難所として知られる歌枕である。体言止めとする。本巻の第五百三十八首も同じ「小夜の中山」を結句とし、本歌の初雪に対し、時雨を詠む。
さゆ:冷え込む、冷たく澄む
さやのなかやま:遠江国の峠で、東海道の難所の歌枕
- 作者
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藤原実行
- 出典
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千載和歌集
- 前の歌
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波の上に有明の月を見ましやは 須磨の関屋に泊まらざりせば
- 次の歌
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水の上にうきねをしてぞ思ひ知る かかれば鴛も鳴くにぞありける