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水の上にうきねをしてぞ思ひ知る
かかれば鴛も鳴くにぞありける

歌の意味
水の上で浮き寝をして、そのつらさを身にしみて思い知った。このようにつらいものだから、鴛鴦も鳴くのであったのだ。
鑑賞
巻第八 羈旅歌 503

詞書「海のつらに舟ながら明かして、よみ侍りける」
 海辺で舟に乗ったまま夜を明かして詠んだ歌である。水の上で浮き寝をして初めて思い知った、こんなにつらいものだから鴛鴦も鳴くのであった、と詠む。水鳥の浮き寝を自ら体験し、波に揺られて眠れないつらさから、水上で鳴く鴛鴦の声の悲しさに思い至っている。
 作者の「和泉式部」は越前守大江雅致の娘である。和泉守橘道貞の妻となったことからこの名で呼ばれる。一条天皇の中宮彰子に仕え、情熱的な恋の歌で知られる。中古三十六歌仙の一人で、小倉百人一首にも歌が採られている。

 初句「水の上に」は、水面の上で、の意で、舟の上で夜を明かしたことをいう。
 二句「うきねをしてぞ」の「うきね」に、水に浮いて寝る浮き寝と、つらい思いで寝る憂き寝とを掛ける。「ぞ」は強意の係助詞で、三句の「思ひ知る」と連体形で結ぶ。
 三句「思ひ知る」は、身にしみて悟る、の意である。ここで句切れとなる。
 四句「かかれば鴛も」の「かかれば」は、このようであるから、の意である。「鴛」は鴛鴦で、つがいで水上に浮き寝する鳥として歌に詠まれる。
 結句「鳴くにぞありける」の「ぞ」は係助詞で、詠嘆の助動詞「けり」の連体形「ける」と結ぶ。鴛鴦が鳴くのもこのつらさゆえであったのだ、と気づきを表す。

うきね:水に浮いて寝る浮き寝の意と、つらい思いで寝る憂き寝の意を掛ける
をし:鴛鴦、おしどり
作者
和泉式部
出典
千載和歌集
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夜な夜なの旅寝の床に風冴えて 初雪降れる小夜の中山
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思ふことなくてぞ見まし与謝の海の 天の橋立都なりせば