などやかくさも暮れがたき大空ぞ
我が待つことはありと知らずや
- 歌の意味
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どうしてこのように、こんなにも暮れにくい大空なのか。私に待つことがあるのを知らないのだろうか。
- 鑑賞
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巻第十二 恋歌二 744
詞書「忍びて暮れに参上るべきよし侍りける人に遣はしける」
人目を忍んで夕暮れに参上するつもりだと言ってきた人に贈った歌である。どうしてこのようにひどく暮れにくい大空なのか、私が待つことがあると知らないのか、と詠む。恋人の訪れを待ちわび、なかなか暮れない空に向かって呼びかけることで、夕暮れを待ちかねる心のはやりを表している。
作者の「二条院御製」は、後白河天皇の第一皇子で第七十八代の天皇であった二条院の詠んだ歌を示す。和歌を好み、在位中に内裏で歌会をたびたび催したが、二十三歳で崩じた。
本巻の第七百三十八首も、来るあてのない夕暮れを待つ心を詠む。本歌は約束された訪れを待つ夕暮れを詠み、待つあての有無で対をなしている。
初句「などやかく」の「など」は疑問の副詞、「や」は疑問の係助詞で、どうしてこのように、の意である。
二句「さも暮れがたき」の「さも」は、そんなにも、の意で、ひどく暮れにくい、の意である。
三句「大空ぞ」の「ぞ」は強意で、なかなか暮れない大空を責める気持ちを表す。ここで句切れとなる。
四句「我が待つことは」は、私が待っていることは、の意である。本巻の第七百三十八首の結句「暮れぞ待たるる」と同じく、夕暮れを待つ心を詠む。
結句「ありと知らずや」の「や」は疑問、反語を表す係助詞で、あると知らないのか、の意である。大空に向かって呼びかける。
まうのぼる:参上する
くれがたし:なかなか日が暮れない
- 作者
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二条院
- 出典
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千載和歌集
- 前の歌
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逢ふことをさりともとのみ思ふかな ふしみの里の名を頼みつつ
- 次の歌
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袖の色は人の問ふまでなりもせよ 深き思ひを君し頼まば