- 歌の意味
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もうしばらくの間は、当てにならない約束にでも心を慰めていたのに、それも望みを断ち切られてしまった、宵に届いた手紙であることよ。
- 鑑賞
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巻第十二 恋歌二 777
詞書「法住寺殿の殿上の歌合に、臨期違約恋といへる心を詠める」
法住寺殿の殿上の歌合で、「臨期違約恋」、すなわち約束の時になって約束をたがえる恋という題で詠んだ歌である。もうしばらくは空頼めにも心を慰めていたのに、思いを断たれてしまった宵の手紙よ、と詠む。来ないかもしれないと思いつつも、約束を頼みに心を慰めて待っていたところへ、宵になって訪れを断る手紙が届き、望みが断たれてしまった失意を表している。
作者の「権中納言通親」は源通親である。内大臣源雅通の子で、のちに内大臣に至り、土御門内大臣と呼ばれた。後鳥羽院の院政のもとで朝廷の実権を握った。
本歌から巻末の第七百七十九首までの三首は、同じ法住寺殿の殿上の歌合で「臨期違約恋」の題によって詠まれた歌である。四句の「思ひ絶え」は第七百四十九首の「思ひ絶えたる」と同じ語を用いる。
初句「今しばし」は、もうしばらく、の意である。
二句「空頼めにも」の「空頼め」は当てにならない約束、頼みにならない期待をいう。
三句「慰めて」は、心を慰めて、の意である。
四句「思ひ絶えぬる」の「ぬる」は完了の助動詞「ぬ」の連体形で、望みを断たれてしまった、の意である。本巻の第七百四十九首の四句「思ひ絶えたる」と同じ語を用いる。
結句「宵の玉梓」の「玉梓」は手紙の意で、宵に届いた、約束をたがえる手紙をいう。体言止めで結ぶ。
そらだのめ:当てにならない約束。頼みにならない期待
たまづさ:手紙。使者
よひ:日が暮れてまもない頃
- 作者
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源通親
- 出典
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千載和歌集
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真澄鏡心も映るものならば さりとも今はあはれとや見ん
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杣川の浅からずこそ契りしか などこの暮れを引き違ふらん