あぢきなく言はで心を尽くすかな
包む人目も人のためかは
- 歌の意味
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甲斐もなく、思いを口に出さずに心を尽くしていることだ。人目を気にして隠しているのも、あの人のためだろうか、いやそうではない。
- 鑑賞
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巻第十三 恋歌三 831
詞書は前の歌に続き「題しらず」
甲斐もなく、言わずに心を尽くしていることだ、人目を隠すのもあの人のためだろうか、と詠む。思いを打ち明けずにひたすら心をすり減らしているが、人目をはばかって恋を隠しているのも、結局は相手のためではなく自分の体面のためではないかと、自らの忍ぶ恋の空しさを省みている。
作者の「源光行」は源光季の子である。鎌倉幕府にも仕えた官人で、「源氏物語」の本文を整えた河内本の校訂者として知られる。
本巻の第八百二十六首は名まで隠すべきではないと詠んだが、本歌は隠すことの空しさを省みて、忍ぶ恋の是非を問う点で対応する。
初句「あぢきなく」は、甲斐もなく、つまらなく、の意である。
二句「言はで心を」の「で」は打消の接続助詞で、思いを口に出さずに心を、の意である。
三句「尽くすかな」の「かな」は詠嘆の終助詞で、心を尽くしていることだ、の意である。ここで句切れとなる。
四句「包む人目も」の「包む」は隠す意で、人目をはばかって隠すのも、の意である。
結句「人のためかは」の「かは」は反語の終助詞で、あの人のためだろうか、いや自分のためだ、の意である。
つつむ:隠す
ひとめ:他人の見る目
- 作者
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源光行
- 出典
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千載和歌集
- 前の歌
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厭はるる身を憂しとてや心さへ 我を離れて君に添ふらん
- 次の歌
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紅にしをれし袖も朽ち果てぬ あらばや人に色も見すべき