人の上と思はばいかにもどかまし
つらきも知らず恋ふる心を
- 歌の意味
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他人のことだと思ったならば、どれほど非難したことだろう。相手の薄情さもかまわずに恋い慕う、この心を。
- 鑑賞
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巻第十四 恋歌四 863
詞書「題しらず」
他人のことだと思ったら、どれほど非難しただろうか、つらさも知らずに恋い慕う心を、と詠む。相手の冷淡さにもかかわらず恋い続ける自分の心を、他人のことであれば愚かだと責めただろうと、突き放して見つめている。恋に溺れる自分を客観視しながらも、なおやめられない心のありさまを表している。
作者の「平実重」は平安時代後期の人物である。経歴の詳しいことは明らかでない。
初句「人の上と」の「人の上」は他人の身の上、他人のこと、の意である。
二句「思はばいかに」の「ば」は未然形に付く順接の仮定で、思ったならば、の意である。「いかに」はどれほど、の意である。
三句「もどかまし」の「もどく」は非難する、とがめる意で、「まし」は反実仮想の助動詞である。どれほど非難しただろう、の意となる。ここで句切れとなり、下の句と倒置の関係にある。
四句「つらきも知らず」の「つらき」は相手の薄情さのことで、それも気にかけずに、の意である。
結句「恋ふる心を」は恋い慕う心を、の意で、三句の「もどかまし」の対象を示す。
もどく:非難する、とがめる
- 作者
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平実重
- 出典
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千載和歌集
- 前の歌
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あさましやさのみはいかにしなのなる 木曽路の橋のかけわたるらん
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契りしももろともにこそ契りしか 忘れば我も忘れましかば