秋風の憂き人よりもつらきかな
恋せよとては吹かざらめども
- 歌の意味
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秋風は、薄情なあの人よりもつらいことだ。恋をせよといって吹くわけではないのだろうけれども。
- 鑑賞
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巻第十四 恋歌四 877
詞書「題しらず」
秋風は薄情な人よりもつらい、恋をせよといって吹くのではないだろうけれど、と詠む。身にしみる秋風が恋しさをかきたてるので、冷たい恋の相手よりもかえって秋風のほうがつらく感じられると詠んでいる。秋風に恋の意図があるはずはないと理屈では知りながら、その風に恋心を揺さぶられてしまう心のありさまを表している。
作者の「空人法師」は平安時代後期の僧である。経歴の詳しいことは明らかでない。
初句「秋風の」は身にしみて吹く秋の風で、物思いを誘うものとして詠まれる。
二句「憂き人よりも」の「憂き人」は薄情な恋の相手のことで、「より」は比較の格助詞である。
三句「つらきかな」の「かな」は詠嘆の終助詞で、つらいことだ、の意である。ここで句切れとなる。
四句「恋せよとては」の「とて」は…といって、の意で、恋をせよといって、の意である。秋風を擬人化している。
結句「吹かざらめども」の「ざら」は打消の助動詞、「め」は推量の助動詞「む」の已然形、「ども」は逆接の接続助詞で、吹くのではないだろうけれど、の意である。理屈では否定しながら、恋心をかきたてる秋風を恨む心を示して結ぶ。
うきひと:薄情な人、つれない人
- 作者
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空人
- 出典
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千載和歌集
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逢ふと見しその夜の夢の覚めであれな 長き眠りは憂かるべけれど
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心さへ我にもあらずなりにけり 恋は姿の変はるのみかは