嘆きつつ交はさぬ夜半の積もるには
枕も疎くならぬものかは
- 歌の意味
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嘆きながら、共寝をしない夜が積もっていくのでは、枕さえも疎遠にならないことがあろうか、いや疎くなってしまう。
- 鑑賞
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巻第十四 恋歌四 901
詞書「返し」
前歌の第九百首に対する女からの返しの歌である。嘆きながら共寝をしない夜が積もると、枕も疎くならないことがあろうか、と詠む。前歌が枕だけでも床に馴れよと詠んだのに対し、共寝をしない夜が重なれば、枕でさえ馴れるどころか疎遠になってしまうと切り返し、逢いに来ないあなたの心も疎くなるのではないかと、恨みをほのめかしている。
作者は「よみ人しらず」とされている。
前歌の第九百首との贈答の歌である。前歌の四句「交はさぬ夜半の」を二句にそのまま用い、前歌の「床馴れよ」に対して「疎く」と応じている。
初句「嘆きつつ」の「つつ」は継続を表す接続助詞で、嘆きながら、の意である。前歌の初句「わびつつは」と対応する。
二句「交はさぬ夜半の」は共寝をしない夜更けの、の意である。前歌の第九百首の四句と同じ句をそのまま受けている。
三句「積もるには」は重なると、の意で、共寝をしない夜が幾夜も重なることを示す。
四句「枕も疎く」の「疎し」は親しくない、よそよそしい意で、前歌の三句「床馴れよ」と対照をなす。「も」によって、枕までも、の意を添える。
結句「ならぬものかは」の「かは」は反語の係助詞で、ならないことがあろうか、いやなってしまう、の意である。枕に託して、相手の心も疎くなることをほのめかして結ぶ。
よは:夜更け
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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千載和歌集
- 前の歌
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わびつつは汝だに君に床馴れよ 交はさぬ夜半の枕なりとも
- 次の歌
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これはみな思ひしことぞ馴れしより あはれ名残をいかにせんとは