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言の葉もみな霜枯れになりゆくは
露の宿りもあらじとぞ思ふ

歌の意味
あなたの言葉もみな霜枯れのように絶えていくのは、もう露が宿る場所もないということなのだと思う。
鑑賞
巻第十三 恋歌五 923

詞書「返し」
 言葉もみな霜枯れになっていくのは、もう露の宿る所もないということだと思う、と詠んだ歌である。前歌で自分を宿にたとえられたのに対し、便りが途絶えて言葉が枯れてしまった以上、もはや露の宿などないと冷たく返している。
 前歌の第九百二十二首への返歌である。前歌の「露の身」と「宿」を受け、「露の宿り」もないと答えており、言葉を「言の葉」として霜枯れに結びつけている。
 作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。

 初句「言の葉も」は、言葉も、の意で、「葉」が二句の「霜枯れ」と縁語になっている。
 二句「みな霜枯れに」は、すべて霜に枯れるように、の意で、便りが途絶えたことをたとえている。
 三句「なりゆくは」は、なっていくのは、の意である。
 四句「露の宿りも」は、露の宿る所も、の意で、前歌の「露の身」と「宿」を受けている。
 結句「あらじとぞ思ふ」は、ないだろうと思う、の意で、「じ」は打消しの推量の助動詞、「ぞ」は強めの係助詞で、連体形「思ふ」で結ぶ係り結びとなっている。

ことのは:言葉
しもがれ:霜に打たれて草木が枯れること
やどり:宿る所
作者
よみ人しらず
出典
後撰和歌集
前の歌
今までも消えでありつる露の身は 置くべき宿のあればなりけり
次の歌
忘れむと言ひしことにもあらなくに 今は限りと思ふものかは