人知れぬ心の内を見せたらば
今までつらき人はあらじな
- 歌の意味
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人知れず秘めた私の心の内を見せたならば、今までのように冷たい人ではいないだろうに。
- 鑑賞
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巻第十一 恋歌一 672
詞書「題しらず」
人知れず秘めた心の内を見せることができたなら、今までのようにつれない人ではいないだろうと詠む歌である。心の内を見せられないもどかしさと、見せさえすれば相手も変わるだろうという思いを表している。第六百二十三首の「思ふ心を知る人のなさ」と通い合い、次歌の第六百七十三首、第六百七十四首とともに「人知れぬ」で始まる歌が三首並ぶ。
初句「人知れぬ」は、人に知られない、の意で、次歌の第六百七十三首、第六百七十四首の初句と同じ句である。
二句「心の内を」は、心の内を、の意である。
三句「見せたらば」は、見せたならば、の意で、「たら」は完了の助動詞「たり」の未然形、「ば」は仮定を表す。
四句「今までつらき」は、今までのように冷淡な、の意である。
結句「人はあらじな」は、人ではいないだろう、の意で、「じ」は打消推量の助動詞、「な」は詠嘆の終助詞である。
こころのうち:心の内。胸の内に秘めた思い
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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かきやらば濁りこそせめ浅き瀬の 水屑は誰かすませても見む
- 次の歌
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人知れぬ思ひは年も経にけれど 我のみ知るはかひなかりけり