- 歌の意味
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織女が天の門を渡る今夜でさえ、遠くにいるあの人は、どうしてつれないのだろう。
- 鑑賞
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巻第五 秋歌上 238
詞書「七日」
織女でさえ天の川を渡って逢う今夜なのに、遠くにいるあの人はどうしてつれないのだろうと嘆いた歌である。七夕の逢瀬と、訪れのない自分の恋とを対比させている。
詞書によれば、七月七日に詠んだものである。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
なお本文の四句は「をち方人の」とあり、読み仮名の行の「をちかちひとの」と一致しない。ここでは本文の表記に従う。
初句「織女の」は、織女が、の意である。
二句「天の門渡る」は、天の川の渡り口を渡る、の意で、本巻の第二百二十八首の「天の門渡る」と同じ句である。
三句「今宵さへ」の「さへ」は添加の副助詞で、今夜でさえ、の意である。
四句「遠方人の」は、遠くにいる人が、の意で、天の川の向こう岸の人のように遠い相手を示している。
結句「つれなかるらむ」の「らむ」は原因を推量する助動詞で、どうしてつれないのだろう、の意である。
をちかたびと:遠くにいる人、向こうにいる人
あまのと:天の川の渡り口、天の門
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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逢ふことの今宵過ぎなば織女に 劣りやしなん恋ひはまさりて
- 次の歌
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天の河遠き渡りはなけれども 君が舟出は年にこそ待て