船岡の野中に立てる女郎花
渡さぬ人はあらじとぞ思ふ
- 歌の意味
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船岡の野の中に立っている女郎花よ、その名の舟で渡すように、自分のもとへ迎え取ろうとしない人はいないだろうと思う。
- 鑑賞
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巻第十七 雑秋歌 1100
詞書「題しらず」
船岡の野中に立つ女郎花を、自分のもとへ迎え取ろうとしない人はいないだろうと詠む歌である。地名の「船岡」の「船」にちなんで「渡す」の語を用い、女郎花の美しさに誰もが心ひかれることを表している。女郎花を女性に見立て、人々の心をひく美しい女の姿を重ねている。
初句「船岡の」は、平安京の北にある船岡の、の意である。
二句「野中に立てる」は、野の中に立っている、の意で、「る」は存続の助動詞「り」の連体形である。
三句「女郎花」は、本巻の第千九十七首、第千九十八首の三句と同じ語で、女郎花を詠む一連の結びとなっている。
四句「渡さぬ人は」は、渡さない人は、の意で、「渡す」は「船岡」の「船」の縁語であり、女郎花を自分のもとへ迎え取る意を表すと解される。
結句「あらじとぞ思ふ」は、いないだろうと思う、の意で、「じ」は打消推量の助動詞、係助詞「ぞ」を受けて連体形「思ふ」で結ぶ係り結びである。
ふなをか:船岡。山城国の地名で、平安京の北にある丘
わたす:渡す。舟で向こう岸へ運ぶ。ここでは女郎花を自分のもとへ迎え取る意を重ねる
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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秋の野の花の色々取りすゑて 我が衣手に移してしかな
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家づとにあまたの花も折るべきに ねたくも鷹を据ゑてけるかな