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玉垂れの編み目の間より吹く風の
寒くはそへて入れん思ひを

歌の意味
玉垂れの簾の編み目の間から吹き込む風が寒いのなら、その風に添えて、私の思いの火を入れてあげよう。
鑑賞
巻第十六 雑歌二 1157

詞書「これかれ女のもとにまかりて物言ひなどしけるに、女の、あな寒の風やと申しければ」
 簾の編み目から吹き込む風が寒いなら、風に添えて思いの火を入れよう、と詠んだ歌である。女が寒い風だと言ったのを捉え、「思ひ」の「ひ」に火を響かせて、燃える思いで暖めてあげようと、戯れまじりに恋心を伝えている。
 詞書によれば、何人かで女のもとに行って話などをしていたところ、女が、ああ寒い風だこと、と言ったので詠んだ歌である。
 作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。

 初句「玉垂れの」は、玉で飾った簾の、の意で、簾の美称である。
 二句「編み目の間より」は、簾の編み目の間から、の意で、字余りとなっている。
 三句「吹く風の」は、吹き込む風が、の意である。
 四句「寒くはそへて」は、寒いのなら添えて、の意で、詞書の「あな寒の風や」という女の言葉を受けている。
 結句「入れん思ひを」は、入れよう、思いを、の意で、「思ひ」の「ひ」に「火」を響かせている。四句と倒置になっている。

たまだれ:玉で飾った簾。簾の美称
おもひ:思いの「ひ」に火を響かせる
作者
よみ人しらず
出典
後撰和歌集
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移ろはぬ心の深くありければ ここら散る花春にあへること
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