我がごとく物思ふ人はいにしへも
今行く末もあらじとぞ思ふ
- 歌の意味
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私のように恋の物思いをする人は、昔にも、今にも、これから先にもいないだろうと思う。
- 鑑賞
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巻第十五 恋歌五 965
詞書は前の歌に続き「題しらず」
私のように恋の物思いをする人は、昔にも今にも将来にもいないだろうと思う、と詠む歌である。過去から未来へと時を広げ、自分の恋の苦しみが比べるもののないほど深いことを、大きな尺度で訴えている。
初句「我がごとく」は、私のように、の意である。本巻の第九百五十七首の初句「我がごとや」と、同じ語を共有している。
二句「物思ふ人は」は、恋の物思いをする人は、の意である。本巻の第九百五十四首が鹿と比べて「いと我ばかり物は思はじ」と詠むのに対し、本歌は時の流れ全体と比べている。
三句「いにしへも」は、昔にも、の意である。
四句「今行く末も」は、今にも、これから先にも、の意で、三句の「いにしへ」と合わせて、過去、現在、未来を並べている。
結句「あらじとぞ思ふ」は、いないだろうと思う、の意で、「じ」は打消の推量を表し、係助詞「ぞ」を受けて動詞「思ふ」の連体形で結んでいる。
いにしへ:古。昔、過ぎ去った時
ゆくすゑ:行く末。これから先、将来
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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瀬を早み絶えず流るる水よりも 尽きせぬものは涙なりけり
- 次の歌
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黒髪に白髪交じり生ふるまで かかる恋にはいまだ逢はざるに