今はてふ心つくばの山見れば
梢よりこそ色変はりけれ
- 歌の意味
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今はもうこれまでという心が尽きる、その筑波の山を見ると、梢の先から色が変わっていくことだ。
- 鑑賞
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巻第十 恋歌二 674
詞書「離れ方になりける人に、末紅葉たる枝につけてつかはしける」
今はもう終わりだと心が尽きる筑波の山を見ると、梢から色が変わる、と詠んだ歌である。訪れが途絶えがちになった相手の心変わりを、先端から色づく木の葉にたとえている。
詞書によれば、訪れが途絶えがちになった人に、枝先が紅葉した枝につけて送った歌である。本巻の第六百八十六首も「思ひつくばの山」と詠み、「尽く」と「筑波」を掛けている。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
初句「今はてふ」は、今はもうこれまでという、の意である。
二句「心つくばの」の「つくば」は、心が「尽く」意と、常陸の国の歌枕である「筑波」を掛けた掛詞である。本巻の第六百八十六首の四句と同じ趣向である。
三句「山見れば」は、山を見ると、の意である。
四句「梢よりこそ」は、枝の先から、の意で、「こそ」は強めの係助詞である。「梢」には、二人の仲の末の意を響かせている。
結句「色変はりけれ」は、色が変わることだ、の意で、四句の「こそ」を受けて已然形「けれ」で結ぶ係り結びとなっている。心変わりを木の葉の色の変化に重ねている。
つくば:心が「尽く」意と、常陸の国の「筑波」を掛ける
かれがた:訪れが途絶えがちになること
こずゑ:枝の先
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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逢ふことのよよを隔つる呉竹の 節の数なき恋もするかな
- 次の歌
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帰りけん空も知られず姨捨の 山より出でし月を見しまに