妹が家のはひ入りに立てる青柳に
今や鳴くらん鴬の声
- 歌の意味
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愛しい人の家の入り口に立っている青柳に、今ごろは鴬の声が鳴いているだろうか。
- 鑑賞
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巻第一 春歌上 41
詞書「通ひ住み侍りける人の家の前なる柳を思ひやりて」
通っていた恋人の家の入り口に立つ青柳を思い浮かべ、今ごろそこで鴬が鳴いているだろうかと思いやった歌である。離れた場所にいる恋人の家の春景色を想像し、相手を慕う心を表している。
詞書によれば、通い住んでいた人の家の前にある柳を思いやって詠んだ歌である。
作者の「みつね」は凡河内躬恒である。古今和歌集の撰者の一人で、甲斐少目や和泉大掾などを歴任した。三十六歌仙の一人である。
初句「妹が家の」は、愛しい女性の家の、の意で、六音の字余りとなっている。
二句「はひ入りに立てる」の「はひ入り」は家の入り口を示し、「立てる」は立っている、の意である。
三句「青柳に」は、芽吹いたばかりの柳を示す。鴬の歌の多い本巻のなかで、梅ではなく柳に鴬を配している点に趣がある。
四句「今や鳴くらん」の「や」は疑問の係助詞で、連体形「らん」と係り結びをなす。「らん」は現在推量で、見えない所の今のさまを思いやっている。
結句「鴬の声」は体言止めで、恋人の家に響く鴬の声を想像のうちに余韻として残している。本巻の第四十首と同じ結句である。
いも:男性が妻や恋人を親しんで呼ぶ語
はひいり:家の入り口
あをやぎ:芽吹いたばかりの青々とした柳
- 作者
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凡河内躬恒
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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梅の花散るてふなへに春雨の ふりでつつ鳴く鴬の声
- 次の歌
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深緑常盤の松の影にゐて うつろふ花をよそにこそ見れ