- 歌の意味
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春の日の光が加わって照り映える池の鏡には、柳の芽吹いた眉が、まず映って見えることだ。
- 鑑賞
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巻第三 春歌下 94
詞書「春の池のほとりにて」
春の日に照らされた池の水面を鏡に、柳の細い若葉を眉に見立て、鏡にはまず眉が映ると詠んだ歌である。人が鏡に向かう姿に柳と池の景を重ね、春の水辺を優美に描いている。
詞書によれば、春の池のほとりで詠んだものである。柳の若葉を美しい眉にたとえる「柳眉」の見立ては、漢詩に由来する。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
初句「春の日の」は、春の日の光を示す。本巻の第八十六首も同じ「春の日の」で始まっている。
二句「影添ふ池の」の「影」は日の光で、「添ふ」は加わる意である。日の光を受けて輝く池を示す。
三句「鏡には」は、池の水面を鏡に見立てている。
四句「柳の眉ぞ」は、柳の細長い若葉を眉に見立てたものである。「ぞ」は係助詞で、結句の連体形「ける」と係り結びをなす。本巻の第百三十一首にも柳が詠まれている。
結句「まづは見えける」は、鏡を見ればまず眉が目に入るように、池にはまず柳が映って見える、の意で、「ける」は気づきの詠嘆を表す。
かげ:日や月の光
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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我が宿のなげきは春も知らなくに 何にか花を比べても見む
- 次の歌
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かくながら散らで世をやは尽くしてぬ 花のときはもありと見るべく