別れては逢はむ逢はじぞ定めなき
この夕暮れや限りなるらん
- 歌の意味
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別れてしまえば、また逢えるのか逢えないのかは定まらない。この夕暮れが最後になるのだろうか。
- 鑑賞
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巻第六 別歌 312
詞書「題しらず」
いったん別れてしまえば再び逢えるかどうかは定めがなく、この夕暮れが最後の逢瀬になるのだろうかと案じる歌である。旅の別れに、この世の定めなさと命のはかなさを重ね合わせている。
初句「別れては」は、別れてしまっては、の意である。
二句「逢はむ逢はじぞ」は、逢うだろうか逢わないだろうか、の意で、「む」と「じ」を対にして定めなさを表し、係助詞「ぞ」で強めている。
三句「定めなき」は、定まらない、の意で、係助詞「ぞ」を受けて連体形で結ぶ。ここで句切れとなる。
四句「この夕暮れや」は、この夕暮れが、の意で、「や」は疑問の係助詞である。
結句「限りなるらん」は、最後なのだろうか、の意で、係助詞「や」を受けて連体形「らん」で結ぶ。本巻の第三百十五首も同じ「限りなるらん」で結び、逢坂での出会いが最後になるかと案じている。
かぎり:終わり。最後
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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別れ路を隔つる雲のためにこそ 扇の風をやらまほしけれ
- 次の歌
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別れ路は恋しき人のふみなれや やらでのみこそ見まくほしけれ