暮れて又明日とだになき春の日を
花の影にて今日は暮らさむ
- 歌の意味
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暮れてしまえば、また明日という日さえもうない春の日を、今日は花の陰で過ごそう。
- 鑑賞
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巻第三 春歌下 145
詞書は前の歌に続き「弥生のつごもり」
暮れてしまえば明日という日さえもうない春の最後の日を、今日は花の陰で過ごそうと詠んだ歌である。残された一日を花とともに惜しみ尽くそうとする心を表している。
第百四十一首から巻末の第百四十六首までは、春の終わりの日を惜しむ歌が続く一連である。
作者の「みつね」は凡河内躬恒である。古今和歌集の撰者の一人で、甲斐少目や和泉大掾などを歴任した。三十六歌仙の一人である。
初句「暮れて又」は、日が暮れてしまえば、また、の意である。
二句「明日とだになき」の「だに」は、〜さえ、の意で、明日という日さえもない、の意である。本巻の第百四十二首の「明日よりは」とも響き合っている。
三句「春の日を」は、春の最後の一日を示す。本巻の第八十六首、第九十四首も「春の日の」の語を用いている。
四句「花の影にて」の「影」は物の陰の意で、花の陰で、の意である。
結句「今日は暮らさむ」の「む」は意志で、今日は過ごそう、の意である。初句の「暮れて」と「暮らさむ」を響かせている。
かげ:物陰、下
- 作者
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凡河内躬恒
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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花しあらば何かは春の惜しからん 暮るとも今日は嘆かざらまし
- 次の歌
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又も来む時ぞと思へど頼まれぬ 我が身にしあれば惜しき春かな