常夏に鳴きても経なん郭公
しげきみ山になに帰るらむ
- 歌の意味
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いつまでも夏であるように、ここで鳴いて過ごしてほしいものだ、ほととぎすよ。木々の茂った奥山に、どうして帰っていくのだろう。
- 鑑賞
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巻第四 夏歌 180
詞書「題しらず」
いつまでも夏のままに、ここで鳴き続けて過ごしてほしいのに、ほととぎすはなぜ茂った奥山へ帰っていくのかと詠んだ歌である。去っていくほととぎすを惜しみ、引きとめたい心を表している。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
初句「常夏に」は、いつまでも夏であるように、の意である。のちの本巻の第百九十八首以下では、撫子の異名としての「常夏」が詠まれている。
二句「鳴きても経なん」の「なん」は願望を表し、鳴いて過ごしてほしい、の意である。
三句「郭公」は、呼びかけで、ここで句切れとなる。
四句「しげきみ山に」は、木々の茂った奥山に、の意で、ほととぎすが夏の終わりに帰っていく山を示している。
結句「なに帰るらむ」の「なに」は、どうして、の意で、「らむ」は原因を推量する助動詞である。どうして帰っていくのだろうと、去る鳥をいぶかっている。
ふ:時を過ごす、経る
みやま:奥深い山
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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数ならぬわがみ山辺の郭公 木の葉隠れの声は聞こゆや
- 次の歌
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臥すからにまづぞわびしき郭公 鳴きも果てぬに明くる夜なれば