旅寝して妻恋ひすらし郭公
神なび山にさ夜更けて鳴く
- 歌の意味
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旅寝をして妻を恋い慕っているらしい。ほととぎすが神なび山で夜更けに鳴いている。
- 鑑賞
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巻第四 夏歌 187
詞書「題しらず」
夜更けに神なび山で鳴くほととぎすは、旅寝をして妻を恋い慕っているらしいと詠んだ歌である。ほととぎすの声に旅人の妻恋いの心を感じ取り、夜の山のさびしさを表している。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
藤原定家の定家八代抄にも採られている。
初句「旅寝して」は、旅先で寝て、の意で、ほととぎすを旅人になぞらえている。
二句「妻恋ひすらし」は、妻を恋い慕っているらしい、の意で、「らし」は根拠のある推定を表す。夜更けに鳴く声を根拠として推し量っており、ここで句切れとなる。
三句「郭公」は、旅寝をする鳥として置かれている。
四句「神なび山に」の「神なび山」は、神の鎮まる山の意で、大和国の歌枕である。
結句「さ夜更けて鳴く」は、夜が更けて鳴く、の意で、「さ」は接頭語である。
かむなびやま:神の鎮まる山、大和国の歌枕
つまごひ:妻や夫を恋い慕うこと
さよ:夜
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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色変へぬ花橘に郭公 千代をならせる声聞こゆなり
- 次の歌
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夏の夜に恋しき人の香をとめば 花橘ぞしるべなりける