心もて生ふる山田のひつぢ穂は
君守らねど刈る人もなし
- 歌の意味
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自分の心から生えてくる山田のひつじ穂は、あなたが守らなくても、刈る人もいない。
- 鑑賞
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巻第五 秋歌上 269
詞書「返し」
自分の心から生え出た山田のひつじ穂は、あなたが守らなくても刈り取る人もいないと返した歌である。前歌の田の実のたとえを受け、刈り取られたのは稲そのものではないと、男の嘆きをかわしている。
前歌の第二百六十八首と贈答をなす。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。前歌を送られた女の歌と考えられる。
初句「心もて」は、自分の心から、自分の意志で、の意である。
二句「生ふる山田の」は、生えてくる山の田の、の意である。
三句「ひつぢ穂は」は、刈り取った稲の株から再び生え出た穂は、の意で、前歌の「田の実」を受けている。
四句「君守らねど」は、あなたが守らなくても、の意で、前歌の「守る」を受けている。
結句「刈る人もなし」は、刈る人もいない、の意で、前歌の「刈らせつつ」を受けて応じている。
ひつぢほ:刈り取った稲の株から再び生え出た穂
おふ:生える、育つ
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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明け暮らし守るたのみを刈らせつつ 袂そほつの身とぞなりぬる
- 次の歌
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草の糸に貫く白玉と見えつるは 秋の結べる露にぞありける