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女郎花昼見てましを秋の夜の
月の光は雲隠れつつ

歌の意味
女郎花を昼のうちに見ておけばよかったのに。秋の夜の月の光は、雲に隠れてばかりで。
鑑賞
巻第六 秋歌中 340

詞書「題しらず」
 女郎花を昼のうちに見ておけばよかった、秋の夜の月の光は雲に隠れてばかりで、花がよく見えないと嘆いた歌である。月明かりで女郎花を見ようとしたのに、雲にさえぎられた残念な思いを表している。
 本巻の第三百三十九首から第三百四十一首までは、よみ人しらずの女郎花の歌が三首並んでいる。
 作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。原文の作者表記は「よみ人も」とあるが、ここでは「よみ人しらず」として扱う。

 初句「女郎花」は、女郎花を、の意である。
 二句「昼見てましを」の「まし」は反実仮想の助動詞、「を」は詠嘆を込めた逆接の接続助詞で、昼に見ておけばよかったのに、の意である。ここで句切れとなる。
 三句「秋の夜の」は、秋の夜の、の意である。
 四句「月の光は」は、月の光は、の意で、本巻の第三百二十三首の二句と同じ語である。
 結句「雲隠れつつ」は、雲に隠れてばかりで、の意である。本巻の第三百二十首が雲の晴れることを願ったのに対し、本歌は雲に隠れる月を嘆いている。

くもがくる:雲に隠れる
作者
よみ人しらず
出典
後撰和歌集
前の歌
女郎花草むらごとに群れ立つは 誰松虫の声に迷ふぞ
次の歌
女郎花花の盛りに秋風の 吹く夕暮れを誰に語らん