雁がねの鳴きつるなへに唐衣
たつたの山は紅葉しにけり
- 歌の意味
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雁が鳴いたのにつれて、竜田の山は紅葉したことだ。
- 鑑賞
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巻第七 秋歌下 359
詞書「大和にまかりけるついでに」
雁が鳴いたのにつれて、竜田の山が紅葉したことだと詠んだ歌である。雁の声と山の紅葉という、耳と目でとらえた秋の深まりを重ねている。
詞書によれば、大和の国へ出かけた折に詠まれたものである。竜田山は大和と河内の境にある山で、紅葉の名所として知られる。雁の歌の一連の中で、はじめて紅葉が詠まれている。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
初句「雁がねの」は、雁が、の意である。
二句「鳴きつるなへに」の「なへに」は、とともに、につれて、の意で、雁が鳴いたのにつれて、の意である。
三句「唐衣」は、衣を「裁つ」ことから「たつ」にかかる枕詞である。
四句「たつたの山は」の「たつ」は、衣を「裁つ」意と、地名の「竜田」を掛けた掛詞である。本巻の第三百八十三首と第三百八十六首も「唐衣たつたの山」と同じ句を用いている。
結句「紅葉しにけり」の「けり」は気づきの詠嘆で、紅葉したことだ、の意である。
たつ:衣を「裁つ」意と、地名の「竜田」を掛ける
もみづ:草木の葉が赤や黄に色づく
まかる:都から地方へ出かける、行く
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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物思ふと月日のゆくも知らざりつ 雁こそ鳴きて秋と告げつれ
- 次の歌
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秋風に誘はれ渡る雁がねは 物思ふ人の宿をよかなん