- 歌の意味
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秋風に誘われて渡ってくる雁は、物思いをしている人の家を避けて通ってほしい。
- 鑑賞
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巻第七 秋歌下 360
詞書「題しらず」
秋風に誘われて渡ってくる雁は、物思いをしている人の家だけは避けて通ってほしいと詠んだ歌である。雁の声が悲しみを誘うので、物思いに沈む身には聞かせないでほしいと願っている。
本巻の第三百五十五首は同じ上の句で雁の声を待ちわびたのに対し、本歌は同じ雁の声を避けてほしいと願っており、待つ心と避ける心が対をなしている。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
初句「秋風に」は、秋風に、の意である。
二句「誘はれ渡る」は、誘われて渡ってくる、の意である。
三句「雁がねは」は、雁は、の意で、本巻の第三百五十五首と初句から三句までが同じ言葉である。
四句「物思ふ人の」は、物思いをしている人の、の意で、本巻の第三百五十八首の「物思ふと」と同じく、物思いに沈む人を詠んでいる。
結句「宿をよかなん」の「よか」は避ける意の「避く」の未然形、「なん」は願望の終助詞で、家を避けて通ってほしい、の意である。
よく:避ける、よけて通る
やど:家、住まい
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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雁がねの鳴きつるなへに唐衣 たつたの山は紅葉しにけり
- 次の歌
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誰聞けと鳴く雁がねぞわが宿の 尾花が末を過ぎがてにして