さ夜更けて天の川をぞ出でて見る
思ふさまなる雲や渡ると
- 歌の意味
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夜が更けてから、外に出て天の川を見上げる。思い描いていたとおりの雲が渡っているかと思って。
- 鑑賞
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巻第三 秋歌 146
詞書「題しらず」
七夕の夜更けに外へ出て天の川を見上げ、二星の逢瀬にかなう、思い描いたとおりの雲が渡っているかを確かめようとする歌である。地上の人が天上の逢瀬を気にかけて見守るさまに、七夕への親しみが表れている。
初句「さ夜更けて」は、夜が更けて、の意で、「さ」は接頭語である。前歌の結句「夜ぞ更けにける」を受け、夜更けの天の川を地上から見上げる。
二句「天の川をぞ」は、「ぞ」が係助詞で、三句の「見る」で結ぶ係り結びとなる。
三句「出でて見る」は、外に出て見る、の意で、連体形の「見る」で結ぶ。ここで句切れとなり、下の句とは倒置の関係になる。
四句「思ふさまなる」は、思っているとおりの、の意である。
結句「雲や渡ると」は、雲が渡っているかと、の意で、「や」は疑問の係助詞である。前歌までが天上の二星の側から詠まれたのに対し、本歌は地上で見守る人の側から詠まれ、天と地とで視点が対をなしている。
さよ:夜。「さ」は接頭語
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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天の川去年の渡りのうつろへば 浅瀬踏む間に夜ぞ更けにける
- 次の歌
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彦星の思ひますらん事よりも 見る我苦し夜の更けゆけば