君と我いもせの山も秋来れば
色変はりぬるものにぞありける
- 歌の意味
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あなたと私の間柄のような妹背の山も、秋が来ると色が変わってしまうものであったよ。
- 鑑賞
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巻第七 秋歌下 380
詞書「同胞どち、いかなることか侍りけん」
あなたと私の間柄を名にもつ妹背の山も、秋が来ると色が変わってしまうものだったと詠んだ歌である。紅葉して色を変える山に託して、仲の変わってしまったことを嘆いている。
詞書によれば、きょうだいの間で、どのようなことがあったのだろうか、という事情のもとに詠まれたものである。妹背の山の名に、きょうだいの間柄を重ねている。前の歌に続いて山の紅葉を詠みながら、人の心の変化を嘆く歌となっている。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
初句「君と我」は、あなたと私、の意で、きょうだいである二人を指している。
二句「いもせの山も」の「いもせ」は、兄と妹、また夫と妻の意と、紀伊の国の「妹背山」を掛けた掛詞である。
三句「秋来れば」の「秋」には、心が離れる意の「飽き」が響いている。
四句「色変はりぬる」は、色が変わってしまう、の意で、山の紅葉と、二人の仲の変化を重ねている。
結句「ものにぞありける」は、ものであったよ、の意で、係助詞「ぞ」と連体形「ける」が係り結びをなしている。
いもせ:兄と妹や夫と妻の意と、紀伊の国の「妹背山」を掛ける
はらから:同じ母から生まれたきょうだい
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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梓弓いるさの山は秋霧の 当たるごとにや色まさるらむ
- 次の歌
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遅く疾く色づく山の紅葉葉は 後れ先立つ露や置くらん