遅く疾く色づく山の紅葉葉は
後れ先立つ露や置くらん
- 歌の意味
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遅く、また早く色づく山の紅葉は、遅れたり先立ったりする露が置くのだろうか。
- 鑑賞
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巻第七 秋歌下 381
詞書「題しらず」
山の紅葉が遅く色づいたり早く色づいたりするのは、遅れて置く露と先立って置く露があるからだろうかと詠んだ歌である。露が木の葉を染めるという考えを踏まえ、紅葉の遅速を露の遅速に理由づけている。
前歌の嘆きから離れ、ふたたび山の紅葉そのものを詠んでいる。「後れ先立つ」は、人の死に遅速があることをいう言葉としても用いられ、紅葉の遅速に世のはかなさが響いている。
作者の「もとかた」は在原元方である。在原棟梁の子で、在原業平の孫にあたる。古今和歌集の巻頭歌「年の内に春は来にけり」の作者として知られる。
初句「遅く疾く」は、遅くまた早く、の意である。
二句「色づく山の」は、色づく山の、の意である。
三句「紅葉葉は」は、紅葉した木の葉は、の意である。
四句「後れ先立つ」は、遅れたり先立ったりする、の意で、初句の「遅く疾く」と対応している。
結句「露や置くらん」の「や」は疑問の係助詞、「らん」は推量の助動詞で、係り結びをなし、露が置くのだろうか、の意である。四句の「後れ」と「置く」は「おく」の音を重ねている。
おくれさきだつ:遅れたり先立ったりする、人の死の遅速にもいう
もみぢば:紅葉した木の葉
- 作者
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在原元方
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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君と我いもせの山も秋来れば 色変はりぬるものにぞありける
- 次の歌
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かくばかり紅葉づる色の濃ければや 錦たつたの山といふらん