あだなりと我は見なくに紅葉葉を
色の変はれる秋しなければ
- 歌の意味
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紅葉を移ろいやすいものとは、私は見ていないのに。その色が年によって違う秋などないのだから。
- 鑑賞
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巻第七 秋歌下 390
詞書「題しらず」
紅葉の色が年によって違う秋などないのだから、私は紅葉を移ろいやすいものとは見ていないと詠んだ歌である。散りやすくはかないものとされる紅葉を、毎年変わらずに色づく誠実なものとして見直している。
本巻の第三百八十五首が紅葉に常盤であれと願ったのと通い、紅葉の変わらなさに目を向けている。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。原文の作者表記は「よみ人も」とあるが、ここでは「よみ人しらず」として扱う。
初句「あだなりと」の「あだ」は、移ろいやすい、はかない、の意である。
二句「我は見なくに」は、私は見ていないのに、の意で、ここで句切れとなる。
三句「紅葉葉を」は、紅葉を、の意で、初句から二句と倒置の関係にある。
四句「色の変はれる」は、色の変わった、の意で、年によって色が違うことを表している。
結句「秋しなければ」の「し」は強めの副助詞で、そのような秋はないので、の意である。
あだ:移ろいやすい、はかない、誠実でない
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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などさらに秋かと問はむ唐錦 たつたの山の紅葉する世を
- 次の歌
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玉かづら葛城山の紅葉葉は 面影にのみ見えわたるかな