などさらに秋かと問はむ唐錦
たつたの山の紅葉する世を
- 歌の意味
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どうして今さら、秋になったのかと問うことがあろうか。竜田の山が紅葉するこの時節であるのに。
- 鑑賞
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巻第七 秋歌下 389
詞書「題しらず」
竜田の山が紅葉するこの時節に、どうして今さら秋が来たのかと問う必要があろうかと詠んだ歌である。山の紅葉を見れば秋が来たことは明らかだと、紅葉の見事さをたたえている。
本巻の第三百八十五首と同じく、「唐錦たつたの山」の句を用いている。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。原文の作者表記は「よみ人も」とあるが、ここでは「よみ人しらず」として扱う。
初句「などさらに」は、どうして今さら、の意である。
二句「秋かと問はむ」の「む」は推量の助動詞で、初句の「など」と呼応して反語となり、秋かと問うことがあろうか、問う必要はない、の意である。ここで句切れとなる。
三句「唐錦」は、錦を「裁つ」ことから「たつ」にかかる枕詞である。
四句「たつたの山の」の「たつ」は、錦を「裁つ」意と、地名の「竜田」を掛けた掛詞である。
結句「紅葉する世を」の「世」は時節の意で、紅葉する時であるのに、の意である。二句と倒置の関係にある。
からにしき:中国渡来の錦、「たつ」などにかかる枕詞
たつ:錦を「裁つ」意と、地名の「竜田」を掛ける
よ:時節、ころ
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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秋風のうち吹くからに山も野も なべて錦に織りかへすかな
- 次の歌
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あだなりと我は見なくに紅葉葉を 色の変はれる秋しなければ