頼む木もかれ果てぬれば神無月
時雨にのみも濡るるころかな
- 歌の意味
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頼りにしていた木も枯れ果ててしまったので、十月の時雨にひたすら濡れるばかりのこのごろであることよ。
- 鑑賞
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巻第八 冬歌 452
詞書「女につかはしける」
頼りにしていた木も枯れ果ててしまったので、十月の時雨にただ濡れるばかりのこのごろであると詠んだ歌である。雨宿りの木を失った姿に託して、頼みにしていた相手が離れていき、涙に濡れて過ごす嘆きを表している。
詞書によれば、女のもとに送った歌である。相手の女が心を離してしまったことを、雨をしのぐ木が枯れたことにたとえて訴えている。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。原文の作者表記は「よみ人も」とあるが、ここでは「よみ人しらず」として扱う。
初句「頼む木も」は、頼りにしていた木も、の意で、雨宿りをする木に頼みとする相手をたとえている。
二句「かれ果てぬれば」の「かれ」は、木が「枯れ」と、相手が「離れ」を掛けた掛詞である。
三句「神無月」は、陰暦十月の異称で、本巻でたびたび置かれる語である。
四句「時雨にのみも」は、時雨にばかり、の意で、時雨は涙を思わせている。
結句「濡るるころかな」の「かな」は詠嘆の終助詞で、濡れてばかりいるこのごろであることよ、の意である。
かる:木が「枯る」意と、人が「離る」意を掛ける
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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神無月時雨とともに神奈備の 森の木の葉は降りにこそ降れ
- 次の歌
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神無月時雨ばかりを身に添へて 知らぬ山路に入るぞ悲しき