降る雪は消えでもしばしとまらなん
花ももみぢも枝になきころ
- 歌の意味
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降る雪は、消えないでしばらく枝にとどまってほしい。花も紅葉も、枝にない今のころには。
- 鑑賞
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巻第八 冬歌 493
詞書「題しらず」
降る雪は消えないでしばらく枝にとどまってほしい、花も紅葉も枝にない今のころには、と詠んだ歌である。春の花も秋の紅葉もない冬の枝を彩る雪を、せめてしばらくは残ってほしいと願っている。
本巻で繰り返される雪を花に見立てる趣向を受け、花も紅葉もない冬の枝を飾るものとして雪を惜しんでいる。第四百七十六首が雪の消えないうちは花と見ようと詠んだのと通じている。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
初句「降る雪は」は、降る雪は、の意である。
二句「消えでもしばし」の「で」は打消しの接続助詞で、消えないでしばらく、の意である。
三句「とまらなん」の「なん」は他に対する願望を表す終助詞で、とどまってほしい、の意である。ここで句切れとなり、下の句と倒置の関係にある。
四句「花ももみぢも」は、春の花も秋の紅葉も、の意である。
結句「枝になきころ」は、枝にない今のころ、の意で、体言止めで一首を結んでいる。
もみぢ:紅葉、木の葉が赤や黄に色づくこと
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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松の葉にかかれる雪のそれをこそ 冬の花とは言ふべかりけれ
- 次の歌
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涙川身投ぐばかりの淵はあれど 氷解けねば行く方もなし