松の葉にかかれる雪のそれをこそ
冬の花とは言ふべかりけれ
- 歌の意味
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松の葉にかかっている雪、それをこそ冬の花というべきであったのだ。
- 鑑賞
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巻第八 冬歌 492
詞書「題しらず」
松の葉にかかっている雪、それをこそ冬の花というべきであったと詠んだ歌である。花のない冬に、常緑の松に積もる雪こそが花にふさわしいと言い定めている。
本巻の第四百七十五首も松の枝にかかる雪を花と見ており、二句「かかれる雪の」は第四百七十五首の四句「かかれる雪を」と同じ語を用いている。本巻で繰り返される雪を花に見立てる趣向を、「冬の花」と言い定めた一首である。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
初句「松の葉に」は、松の葉に、の意である。
二句「かかれる雪の」は、かかっている雪、の意で、本巻の第四百七十五首の四句「かかれる雪を」と同じ語を用いている。
三句「それをこそ」は、それをこそ、の意で、二句の雪を指して強めている。係助詞「こそ」は結句の已然形「けれ」と係り結びをなしている。
四句「冬の花とは」は、冬の花とは、の意である。
結句「言ふべかりけれ」は、いうべきであったのだ、の意で、「けれ」は気づきを表す詠嘆の助動詞「けり」の已然形である。
まつのは:松の針のような葉
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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山近み珍しげなく降る雪の 白くやならん年積もりなば
- 次の歌
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降る雪は消えでもしばしとまらなん 花ももみぢも枝になきころ