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万代の色も変はらぬ榊葉は
三上の山に生ふるなりけり

歌の意味
万代を経ても色の変わらない榊葉は、三上の山に生えているのであった。
鑑賞
巻第十 神楽歌 602

詞書は前の歌に続き「安和元年大嘗会風俗:三上の山」
 万代を経ても色の変わらない榊葉は、三上の山に生えているのだったと詠む歌である。常緑の榊の変わらない色に、永遠に続く御代を重ね、その榊が大嘗会の悠紀の国の三上の山に生えていることを喜んでいる。前歌の第六百一首と同じく三上の山の榊を詠み、三上の山を題とする三首の二首目である。
 詞書の「安和元年大嘗会風俗」は、冷泉天皇の即位に伴って安和元年に行われた大嘗会で奉られた風俗の歌であることを示す。大嘗会では、悠紀と主基に選ばれた国の地名を詠み込んだ歌が奉られ、ここから第六百八首まで、その国の山や浜の名を題とする歌が並ぶ。

 初句「万代の」は、万代を経ても、の意で、限りなく長い年月をいう。
 二句「色も変はらぬ」は、色も変わらない、の意で、常緑の榊をいう。第六百四首の四句「色も変はらず」と、同じ言い回しを共有している。
 三句「榊葉は」は、榊の葉は、の意で、前歌の第六百一首の三句「榊葉は」と同じ句である。
 四句「三上の山に」は、三上の山に、の意で、題の地名である。
 結句「生ふるなりけり」は、生えているのであった、の意で、「なり」は断定、「けり」は気づきの詠嘆を表す。

よろづよ:万代。限りなく長い年月
おふ:生ふ。生える
作者
よみ人しらず
出典
拾遺和歌集
前の歌
ちはやぶるみかみの山の榊葉は 栄えぞまさる末の世までに
次の歌
万代をみかみの山の響くには 野洲河の水澄みぞあひにける