ちはやぶるみかみの山の榊葉は
栄えぞまさる末の世までに
- 歌の意味
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御神の宿る三上の山の榊葉は、末の世までもいっそう栄えていくことだ。
- 鑑賞
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巻第十 神楽歌 601
詞書「安和元年大嘗会風俗:三上の山」
神の宿る三上の山の榊葉は、末の世までいよいよ栄えていくと詠む歌である。地名の「三上」に「御神」を掛け、神の山に茂る常緑の榊が栄えることに、御代の繁栄を重ねて祝っている。次歌の第六百二首、第六百三首とともに三上の山を題とする三首の一首目である。
詞書の「安和元年大嘗会風俗」は、冷泉天皇の即位に伴って安和元年に行われた大嘗会で奉られた風俗の歌であることを示す。大嘗会では、悠紀と主基に選ばれた国の地名を詠み込んだ歌が奉られ、ここから第六百八首まで、その国の山や浜の名を題とする歌が並ぶ。
作者の「よしのぶ」は大中臣能宣である。伊勢神宮の祭主を務め、梨壺の五人の一人として後撰和歌集の撰進にあたった。三十六歌仙に数えられる。
初句「ちはやぶる」は、「神」を導く枕詞で、二句の「みかみ」の「神」にかかる。第五百九十六首、第五百九十七首の初句と同じ枕詞である。
二句「みかみの山の」は、「みかみ」が近江国の「三上」山と、「御神」を掛ける掛詞である。
三句「榊葉は」は、榊の葉は、の意で、巻頭の第五百七十六首と第五百七十七首の初句「榊葉」と同じ語を用いている。次歌の第六百二首の三句「榊葉は」と同じ句である。
四句「栄えぞまさる」は、いっそう栄えていく、の意で、係助詞「ぞ」を受けて連体形の「まさる」で結ぶ係り結びである。
結句「末の世までに」は、末の世までも、の意で、倒置して四句を強めている。
みかみ:近江国の「三上」山と、「御神」を掛ける
すゑのよ:末の世。後の世、遠い将来
- 作者
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大中臣能宣
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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動きなき岩倉山に君が代を 運び置きつつ千代をこそ積め
- 次の歌
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万代の色も変はらぬ榊葉は 三上の山に生ふるなりけり