動きなき岩倉山に君が代を
運び置きつつ千代をこそ積め
- 歌の意味
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揺るぎない岩倉山に君の御代を運び置いては、千代の年を積み重ねるのだ。
- 鑑賞
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巻第十 神楽歌 600
詞書「安和元年大嘗会風俗:岩倉山」
揺るぎない岩倉山に君の御代を運び置き、千代を積み重ねようと詠む歌である。地名の「岩倉」の岩の堅固さに、揺るがない御代を重ね、その御代が千代にわたって積み重なることを祝っている。天禄元年の大嘗会の第六百十二首も岩倉山を題とし、「動きなく」「積まむ」と同じ語を用いており、二度の大嘗会で同じ趣向が受け継がれている。
詞書の「安和元年大嘗会風俗」は、冷泉天皇の即位に伴って安和元年に行われた大嘗会で奉られた風俗の歌であることを示す。大嘗会では、悠紀と主基に選ばれた国の地名を詠み込んだ歌が奉られ、ここから第六百八首まで、その国の山や浜の名を題とする歌が並ぶ。
初句「動きなき」は、揺るぎない、の意で、岩倉山の岩の堅固さをいう。第六百十二首の四句「動きなくのみ」と同じ語である。
二句「岩倉山に」は、岩倉山に、の意で、題の地名である。
三句「君が代を」は、君の御代を、の意である。
四句「運び置きつつ」は、運び置いては、の意で、「つつ」は反復を表す。
結句「千代をこそ積め」は、千代を積み重ねるのだ、の意で、係助詞「こそ」を受けて已然形の「積め」で結ぶ係り結びである。第六百十二首の結句「積まむとぞ思ふ」と呼応している。
いはくらやま:岩倉山。題の地名
ちよ:千代。千年。非常に長い年月
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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さざなみの長等の山のながらへて 楽しかるべき君が御代かな
- 次の歌
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ちはやぶるみかみの山の榊葉は 栄えぞまさる末の世までに