暁の別れの道を思はずは
暮れ行く空はうれしからまし
- 歌の意味
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暁の別れの道を思わないでいられるならば、暮れていく空はうれしいものだろうに。
- 鑑賞
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巻第十二 恋歌二 726
詞書は前の歌に続き「題しらず」
暁に別れて帰る道のことを思わずにいられたら、暮れていく空はただうれしいだろうにと詠む歌である。逢瀬の夜をもたらす日暮れを喜びながらも、その先に待つ暁の別れを思うと素直に喜べない、恋の喜びと憂いの表裏を表している。前歌の第七百二十五首の、日暮れほどうれしいものはないとする歌と対をなしている。
初句「暁の」は、夜明け前のまだ暗いころの、の意で、本巻の第七百十五首の初句「暁の」と同じ語である。
二句「別れの道を」は、別れて帰る道を、の意である。
三句「思はずは」は、思わないならば、の意で、「ずは」は打消の仮定を表す。
四句「暮れ行く空は」は、暮れていく空は、の意で、前歌の第七百二十五首の四句「暮れゆくばかり」と同じ語を共有している。
結句「うれしからまし」は、うれしいだろうに、の意で、「まし」は反実仮想の助動詞である。前歌の結句「うれしきはなし」と対をなしている。
あかつき:暁。夜明け前のまだ暗いころ
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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現にも夢にも人に夜し逢へば 暮れゆくばかりうれしきはなし
- 次の歌
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君恋ふる涙の凍る冬の夜は 心とけたる寝やは寝らるる