春の日の長き思ひは忘れじを
人の心にあきや立つらむ
- 歌の意味
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春の日のように長く続くこの思いを、私は忘れまいと思っているのに、あの人の心には、秋が立つように、私に飽きる心が生じたのだろうか。
- 鑑賞
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巻第三 春歌下 86
詞書「女につかはしける」
春の長い日のように尽きない思いを抱き続けているのに、相手の心には秋ならぬ「飽き」が立ったのかと恨んだ歌である。春と秋を対比させ、季節の移り変わりに相手の心変わりを重ねている。
詞書によれば、女のもとに贈ったものである。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
初句「春の日の」は、日の長い春の日を示し、「長き」を導いている。本巻の第九十四首も同じ「春の日の」で始まっている。
二句「長き思ひは」は、春の日のように長く続く思いを表す。
三句「忘れじを」の「じ」は打消の意志、「を」は逆接で、忘れまいと思うのに、の意である。
四句「人の心に」は、相手の心に、の意で、我が「思ひ」と対比されている。
結句「あきや立つらむ」の「あき」は、季節の「秋」と、いやになる意の「飽き」を掛けた掛詞である。「や」は疑問の係助詞で、連体形「らむ」と係り結びをなす。春の歌に秋を詠み込み、季節の推移に心変わりを重ねている。
あき:季節の「秋」と、いやになる意の「飽き」を掛ける
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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垣越しに散り来る花を見るよりは 根こめに風の吹きも越さなん
- 次の歌
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よそにても花見るごとに音をぞ泣く 我が身にうとき春のつらさに