白浪のよるよる岸に立ち寄りて
ねも見しものをすみよしの松
- 歌の意味
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白浪が夜ごとに岸へ寄せるように、夜ごとにあなたのもとに立ち寄って、住吉の松の根を見るように、共寝もしたのに。
- 鑑賞
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巻第九 恋歌一 599
詞書「女の逢はず侍りけるに」
白波が夜ごとに岸に寄せるように、夜ごとに立ち寄って共寝もしたのに、と詠んだ歌である。逢ってくれなくなった女に、かつては夜ごとに通い、住吉の松の根もとまで見るほど親しかったことを訴えている。
詞書によれば、女が逢ってくれなくなったので詠んだ歌である。本巻の第五百六十一首も、住吉の岸に夜ごとに寄る白波を詠んでおり、同じ景を用いている。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
初句「白浪の」は、白い波が、の意である。
二句「よるよる岸に」の「よるよる」は、波が「寄る寄る」と、「夜々」を掛けた掛詞である。本巻の第五百六十一首の三句と同じ語である。
三句「立ち寄りて」は、立ち寄って、の意で、「寄り」は波の縁語である。
四句「ねも見しものを」の「ね」は、「寝」と、松の「根」を掛けた掛詞で、共寝もしたのに、の意である。
結句「すみよしの松」の「すみよし」は、「住吉」と「住み良し」を掛けた掛詞である。体言止めで一首を結び、四句と倒置の関係にある。
よるよる:波が「寄る寄る」意と、「夜々」を掛ける
ね:「寝」の意と、松の「根」を掛ける
すみよし:「住吉」と「住み良し」を掛ける
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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現にもはかなきことのあやしきは 寝なくに夢の見ゆるなりけり
- 次の歌
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長らへてあらぬまでにも言の葉の 深きはいかにあはれなりけり